突然相続発生!相続税支払いも発生!納付期日は?間に合わないとどうなる?
2021/10/12
相続税が発生するケースとは?
家族が亡くなり、自身が相続人となることがあっても、必ずしも相続税が発生するわけではありません。
相続税は基礎控除(3000万円+法定相続人の数×600万円)を超えた部分に課税されます。
3600万円までは基礎控除が適用されることになるため、仮に相続人が自分ひとりの場合、
相続税が発生するのは相続財産が3600万円を超える場合です。
(例)夫婦+子供二人で父親が無くなり相続発生のケースの基礎控除
(3000万円+3人×600万円)=4,800万円が基礎控除となります。
現金預金、有価証券、所有不動産等の相続財産の課税価格から基礎控除等を
差し引いたものに対して相続税がかかります。
基礎控除内であれば相続税は発生いたしません。
実際に相続税が発生する割合はそう高くなく、相続税を課税された人の割合は
2019年で全体の8.3%ほどとなっています。
相続税はいつまでに納付すれば良いの?
いざ相続税が発生したとしても、すぐに支払わなければいけないわけではありません。
相続税の申告と納税は、相続があったことを知った日(被相続人が亡くなったことを知った日)の翌日から
10ヶ月以内までに行えばよいとされているからです。
このように、相続が発生したら即、相続税を支払うというわけではなく、
ある程度の期間が与えられています。
ただ、決して十分に余裕がある期間とはいえないため、相続が発生したら、まず相続財産と相続人を
調査して遺産分割を行い、相続税の申告と納税をするという一連の流れをスムーズに進めていくことが
大切になります。
遺産分割協議がスムーズにいかず、難航するケースも多々相談いただいた経験があります。
納付期限までに支払えないとどうなるの?
何も手続きをしないまま納税の期限を迎えてしまい、相続税を支払えない状態となってしまうと、
督促状が届いたり、税務署からの連絡、訪問や調査があり、最終的には自身の自宅や預貯金といった
財産を差し押さえられてしまいます。
また、正当な理由がなく期限までに申告をしなかった場合は無申告加算税が課されたり、
期限を過ぎてからの納税は延滞税が課されるなど、本来よりも納税額が増える可能性もあります。
さらに、小規模宅地等の特例といった相続税が軽減される各種の特例も、期限内に手続きができない
場合には適用されない場合もあります。相続税が発生した場合は、必ず10ヶ月という期限内に申告と
納税まで行うように注意して下さい。
期限までに遺産分割協議が終わらない、支払いが間に合わない場合は?
期限内に相続税を支払うことができない場合、手続きを取ることが必要です。
相続税には、納税までの期限を延長する延納の制度があります。
現在では新型コロナウイルスの影響から移動などが自由に行えず、期限までに納税できない場合でも、
「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を税務署へ提出して期限の延長を申請することが
認められております。
上記の特例以外にも、相続財産で相続税を収める物納の制度などもあるため、
まずは税務署に相談して下さい。
また、相続財産の一部を売却して現金化したり、相続財産の中でも納税に充てる部分(現金など)だけでも
先に遺産分割するなど、延納などの手続きをしなくても期限までに納税する方法もあります。
全ての遺産分割を納税期限に間に合わせる必要はなく、
相続税の納税後、遺産分割を終わらせても問題はありません。
まとめ
不動産を多数所有されている、地主様や資産家の方、相続課税額の高い都心の自宅を相続された方等で
相続税の支払いのために、所有不動産を売却し相続税の支払いに充てたいという相談は
私も過去に何件もいただき、実際に売却の仲介をしたこともあります。
注意いただきたいのは、相続税の支払い期限は相続があったことを知った日から10ヶ月以内ですが
戸建・土地の売却だと測量が必要で測量の時間がかかったり、マンションや収益物件でも
立地や築年数、金額帯によってはすぐ売却が決まるとも限りません。
支払い期日が迫った状況での売却ですと、どうしても買主が買取業者になったり、
売出金額を相場より低く設定する必要があり、成約金額が低くなるケースが多いので
相続不動産の売却資金を相続税の支払いに充てることを検討される方は、早めにご相談お願いします。
弊社は相続に詳しい司法書士や弁護士、税理士等と連携しサポートも可能です。